アレルギー科とは
気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食事アレルギー、花粉症、じんましんなどいろいろなアレルギー疾患のお子さんがいます。アナフィラキシーショックと言って命にかかわることもあります。しかし、普段からしっかりとした対処をしていると危険は少なくなります。
アレルギー疾患は簡単に治るものではありません。症状をなるべく軽くして生活に支障をきたさないよう上手にアレルギーと付き合っていくことが大切です。上手に付き合っていくお手伝いができればと思っています。
気管支喘息
気管支喘息とは、空気の通り道である気道が炎症を起こしてしまうために、突然ヒューヒュー・ゼイゼイして痰のからんだ咳が激しく出て、呼吸が苦しくなってしまう病気です。自然に、もしくは治療を受けることで良くなりますが、同様のエピソードを繰り返してしまいます。
気管支喘息の治療は、発作を起こしにくくすることと起きてしまっている発作を抑え込むことの2本立てです。治療ガイドラインの普及、吸入ステロイド薬の積極的導入によって重症化するお子さんは減っています。
発作を起こす誘因はウイルス感染、ほこりやダニなどの吸入、乾燥した冷たい空気、たばこの煙など様々ですが、原因は「気道の過敏性」と呼ばれる隠れた気道の炎症です。適切な治療を行うことによって気道の炎症をゼロにすることを目指します。起きてしまっている発作には気管支拡張薬の内服や吸入を行います。
当クリニックでは必要な方への吸入器の貸し出しも行っています。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、乳幼児期に発症することが多く、かゆみのある湿疹が慢性化する病気です。両ほほや口の周りなどの顔や頭などに赤いぶつぶつができ、成長するにつれて体全体に広がっていきます。家族にアトピー性皮膚炎、気管支喘息、花粉症などの何らかのアレルギー疾患を持っている人がいて、かつ慢性化したかゆみを伴った湿疹があるようであればアトピー性皮膚炎の可能性が高くなります。
治療の原則はスキンケアです。スキンケアというのは清潔を保ち保湿剤を塗ることで皮膚のバリア機能を保たせることです。そして、起きてしまっている皮膚の炎症にはステロイド軟膏を塗布し皮膚のアレルギー性の炎症を抑える(皮膚の炎症をゼロにすること)ようにします。保湿剤とステロイド軟膏を上手に使うことが重要です。
食物アレルギー
- 食物アレルギーとは、食べ物に含まれる主にタンパク質を異物(アレルゲン:アレルギーの原因物質)と認識してしまい、体に不利益な様々な症状が引き起こされてしまうアレルギー反応です。
主な症状は、顔や全身の発赤や湿疹、じんましんなどの皮膚症状が最も多く9割を占めます。腹痛や嘔吐の消化器症状、咳やゼーゼーなどの呼吸器症状が引き起こされることもあります。もっとも重症なタイプはアナフィラキシーショックと呼ばれ、呼吸困難や血圧低下、意識障害などを起こし、生命にも危険が及びます。
食物アレルギーは蛋白質を消化する機能や腸管の免疫システムが未熟なため2歳未満の乳幼児に多くみられ、成長するにしたがって症状が弱くなったり出なくなったりすることがあります。消化管機能が発達する1歳6か月くらいまでは原因物質を除去し、その後は「少しずつ食べさせる」ことで食物アレルギーを予防したり、食べても症状が出ない状態にしたりすることを目指すようになりました。
最重症型のアナフィラキシーを起こすようなお子さんには、緊急用のアドレナリン自己注射薬(エピペン)の所持も指導しています。当クリニックではエピペンの処方も可能です。 - 病気や症状、治療について解説した【こどもの病気シリーズ】や【こどもの薬シリーズ】をご用意しています。気管支喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、花粉症のアレルギー疾患に関する解説もご用意しています。どのような内容があるか詳しくお知りになりたい方は「病気と薬」のページをご覧ください。
受付には【こどもの病気シリーズ】や【こどもの薬シリーズ】のパンフレットをご用意してあります。ご入用の方は受付にお声をかけてください。